こんにちは。日本コーバン舞台照明事業部のトミーです。
Eosのエフェクト機能には、大きく3種類あるのをご存知ですか?
- Step Effect(ステップベースの点滅やチェイス)
- Relative Effect(現在の状態からの“差”で揺らす)
- Absolute Effect(明確な動作を順番に実行)←今回のテーマ!
今回は、あまり知られていないけれど**実はとても使いやすい「Absolute Effect」**について、現場でどう使うか、何ができるかをわかりやすく解説します!
目次
◆ Absolute Effectとは?
✅ 複数の具体的な動作(パレット・数値)を順番に再生していくエフェクト
→ パレットチェンジやズーム操作などのプリセット再生アニメーションに最適!
◆ Relative Effectとの違いは?
| 項目 | Absolute Effect | Relative Effect |
|---|---|---|
| 動作の指定 | パレットや数値を明示的に指定 | 今の状態から相対的に変化 |
| 例 | Color Palette 1 → 8 → 4 → 2 | 「今の色」から10°ずつHueをズラす |
| 向いてる使い方 | パレットの切り替え、プリセット再生 | 揺らぎ、ランダム点滅、ムーブメント |
◆ Absolute Effectを作るには?
🎬 作成ステップ:
[Effect] [8] [Enter] → 新しいエフェクトを作成
{Type} {Absolute} → 種類を「Absolute」に変更
- アクション(動作)を追加:
{Action} [1] [Enter]
- 各アクションに設定する内容(下記5つの要素)を入力:
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| Param | 対象パラメーター(例:Color) |
| Time | フェードにかける時間 |
| Dwell | その状態を維持する時間 |
| Level | 数値 or Palette(例:Color Palette 8) |
| Step Time | 次のアクションまでの待ち時間(任意) |
※ Step Time が設定されていなければ「前のアクションが終わったら次へ」になります。
◆ 実例:カラーパレットを順番に切り替えるエフェクト
- Effect 8 に以下のアクションを追加:
| Action | Param | Time | Dwell | Level |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Color | 2.0 | 1.0 | Color Palette 5 |
| 2 | Color | 2.0 | 1.0 | Color Palette 8 |
| 3 | Color | 2.0 | 1.0 | Color Palette 2 |
| 4 | Color | 2.0 | 1.0 | Color Palette 4 |
➡ 色がゆっくりと順番に変化するビジュアル演出が完成!
◆ 運用のポイント
✅ Absolute Effectはチャンネルに割り当てて再生します。
[1] [Thru] [5] [Effect] [8] [Enter]
➡ チャンネル1〜5にEffect 8を適用。
◆ 便利な属性(Attributes)
| 属性 | 内容 |
|---|---|
| Forward / Reverse | 再生の方向(順/逆) |
| Bounce | 行って戻る |
| Break Mode | スクロール風の表示に(背景は固定、アクションが流れる) |
| Bounce Channels | チャンネル単位で往復動作 |
| Entry / Exit Mode | エフェクトの始まり方・終わり方を細かく調整可能 |
| BPM | 音楽に合わせたテンポ指定も可能 |
◆ よくあるミスと注意点
| ミス例 | 解説 |
|---|---|
| アクションだけ作って適用し忘れ | Absolute Effectはチャンネルに明示的に適用が必要です! |
| パラメーターを指定し忘れる | Param欄にColorやZoomなどを明記しよう |
| 適用したのに動かない | Effect自体はCueやサブマスターに入れる必要あり |
| 相対変化と思ってAbsoluteを使う | 揺らぎ・ゆれなどはRelative Effectが向いています |
✅ まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| Absoluteとは | 具体的な「動作」を順に再生 |
| 使い所 | カラーチェンジ、フォーカス移動 |
| 必要操作 | パラメーター/時間/対象の設定が必須 |
| 他と違う点 | 相対ではなく絶対指定で動く |
日本コーバン舞台照明事業部では、今後もEosコンソールを使いこなすためのテクニックをわかりやすく発信してまいります。
「こんなエフェクトの組み方も教えてほしい」
「演出に合わせたパターン作成の相談をしたい」など、お気軽にご連絡ください!


