こんにちは、日本コーバン舞台照明事業部です。
Eosシリーズの照明卓でプログラミングを進めると、必ず出てくるのが「Mark(マーク)機能」。
このMark、正しく使えば暗転中にムービングライトの位置や色を準備しておく超便利機能なのですが、設定ミスや理解不足で思わぬトラブルを招くこともしばしば…。
今回は、初心者がつまずきやすいMarkの罠と、その対処法をわかりやすくご紹介します!
🔍 そもそもMarkってなに?
Markとは、
🎭「あるキューの中で、次のキューで必要なムービングの位置や色をあらかじめ暗転中に準備しておく」という機能です。
たとえば:
- Cue 5:暗転中
- Cue 6:主人公にムービングライトのスポット
という流れのとき、Cue 5でMarkを使えば、
「Cue 6で必要なライトのポジション・カラーなどを、Cue 5のうちに**スタンバイ状態にしておく」ことができます。
これによりCue 6での「色変わり」や「位置移動」のブレや遅れを防ぐことができます。
⚠ 初心者がハマりがちな罠と対処法
① 自動Markが「効いていない」ように見える
症状:MarkがONなのに、次のCueでムービングがガチャガチャ動いてしまう…
原因:
- 対象のムービングライトにインテンシティ情報が書かれていない
- フォーカス/カラー/ビーム情報しかない状態
対処法:
✅ Markは「次のCueに必要なパラメータ」が「このCueで灯体が暗転しているとき」だけ動作
✅ 明るさ(インテンシティ)が0%である必要があります
✅ 明るいCueではMarkしません!
② マニュアルで操作した灯体が勝手に動く
症状:リハ中に手動で当てたライトが勝手にどこかへ移動してしまう!
原因:Markの自動実行による意図しないスタンバイ動作
対処法:
✅ Mark自動モードを一時的にOFFにする
👉 [Setup] → [Cue List] → {Auto Mark} → [Disabled]
✅ または、そのCueだけMarkさせたくない場合は:
👉 [Cue] [5] [Enter] → {Mark} {Manual}
に変更
③ MarkされたCueを変更したら混乱した
症状:Cueを修正したらMarkの動きが予期せぬ方向に…
原因:Cue構成を変更したことで、「どのCueでMarkするか」がズレた
対処法:
✅ キュー構造を見直す際は「Mark Cue」も確認
👉 [PSD](Playback Status Display)でMark予定がわかります
✅ 正しいMarkの使い方
- 対象のムービングに位置/色/ビームの情報を記録
- 次のCueでその情報を使用
- その前のCue(=暗いCue)において自動的にMarkされる
📌 自動Markの設定が有効なら、Eosが自動でスタンバイキューを判断してくれます!
💡 Markの設定モード(Cue List単位)
モード名 | 説明 |
---|---|
Auto | 自動で適切な位置にMark(初心者におすすめ) |
Manual | 明示的に指定したCueでのみMark |
Disabled | Mark機能を一切使わない |
👉 設定場所:[Displays] → [Setup] → [Cue List] → {Auto Mark}
🧩 補足:QueryやMacroと組み合わせてMarkの見直しも時短!
Query Marked
→ Mark状態のあるチャンネルを一覧にQuery Dark Move
→ 暗い状態で動くチャンネルを確認- それらを使って「意図しないMark」や「未設定Mark」の見直しも可能!
※Macroに組み込めば修正作業も効率化できます!
✨ まとめ:Mark機能は“見えない準備”のプロ
状況 | 対処法 |
---|---|
勝手に動く | 自動Mark設定を見直す |
Markされない | 暗転しているか確認(インテンシティ0%) |
意図と違うCueでMark | PSDで「Mark Cue」をチェック |
マニュアルで一時停止 | {Mark} {Manual}に変更 |
EosのMark機能は、プロの舞台でも欠かせない“舞台裏の演出”です。
初心者のうちは混乱するかもしれませんが、仕組みがわかればむしろ時短・安全・演出強化に欠かせない存在になります。
📩 日本コーバンでは、Eosの使い方講習やMark設定の現場サポートも承っています。