【後編】照明の「性質」と「力」を知る

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最後に、舞台照明がもつ4つの“コントロールできる性質”を紹介します。これらを使いこなすことで、照明は舞台上で驚くほど多彩な表現を可能にします。


1. 明るさ(Intensity)

→ どれだけ“まぶしい”か・“明るい”かではなく、「どう見えるか」が大事。

  • 暗い中にろうそく1本でも“明るく”感じることがあります。
  • また、光が強すぎると目が疲れてしまうこともあります。

2. 色(Color)

→ 照明の色は、そのまま感情や雰囲気に直結することが多いです。

  • 暖かい色(オレンジや黄色)は「安心感・喜び」など
  • 冷たい色(青や紫)は「緊張感・悲しみ」など

色は、舞台の温度や感情を観客に伝える手段です。

3. 分布(Distribution)

→ 光が「どこから」「どんな角度で」来るか。

  • 顔に影ができる方向で人の印象は変わります。
  • 正しい位置から照らすことで、人物の形や背景との距離感が自然になります。

4. 動き(Movement)

→ 光が「時間とともにどう変化するか」。

  • 日の出から夕暮れへ…そんな時間の流れを照明で表現できるのです。
  • 最近では、ムービングライトやカラー変更機能で、より自由な変化が可能になりました。

さいごに

舞台照明は「技術」と「アート」の間にあります。
ただ明るくするだけでなく、「どのように見せるか」を常に考えています。

もしこの記事を読んで「照明って面白そう!」と思ったら、それが第一歩です。
舞台照明の世界は奥深く、やりがいがあり、そして何より“感動”をつくる仕事です。

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この記事を書いた人

こんにちは、Tommyです。日本コーバン株式会社の舞台照明事業部で働いています。舞台照明、特にミュージカルやお芝居が大好きで、大学時代にはブロードウェイミュージカルへの情熱からアメリカに留学しました。大学ではもちろんシアターを専攻し、そこで照明デザインやプログラミングを学びました。

休日にはブロードウェイミュージカルを観に行くのが趣味で、頭の中はいつもお芝居と舞台照明のことでいっぱいです。今、特に力を入れているのは、ETC Eosという照明卓の素晴らしさを広めること。このブログを通じて、照明やプログラミングがもっと身近になるように、そして皆さんの作品作りに少しでも役立てるよう、頑張りたいと思っています。