最後に、舞台照明がもつ4つの“コントロールできる性質”を紹介します。これらを使いこなすことで、照明は舞台上で驚くほど多彩な表現を可能にします。
1. 明るさ(Intensity)
→ どれだけ“まぶしい”か・“明るい”かではなく、「どう見えるか」が大事。
- 暗い中にろうそく1本でも“明るく”感じることがあります。
- また、光が強すぎると目が疲れてしまうこともあります。
2. 色(Color)
→ 照明の色は、そのまま感情や雰囲気に直結することが多いです。
- 暖かい色(オレンジや黄色)は「安心感・喜び」など
- 冷たい色(青や紫)は「緊張感・悲しみ」など
色は、舞台の温度や感情を観客に伝える手段です。
3. 分布(Distribution)
→ 光が「どこから」「どんな角度で」来るか。
- 顔に影ができる方向で人の印象は変わります。
- 正しい位置から照らすことで、人物の形や背景との距離感が自然になります。
4. 動き(Movement)
→ 光が「時間とともにどう変化するか」。
- 日の出から夕暮れへ…そんな時間の流れを照明で表現できるのです。
- 最近では、ムービングライトやカラー変更機能で、より自由な変化が可能になりました。
さいごに
舞台照明は「技術」と「アート」の間にあります。
ただ明るくするだけでなく、「どのように見せるか」を常に考えています。
もしこの記事を読んで「照明って面白そう!」と思ったら、それが第一歩です。
舞台照明の世界は奥深く、やりがいがあり、そして何より“感動”をつくる仕事です。
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