【前編】舞台照明とは? 〜光が物語を語りはじめるとき〜

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みなさんは、舞台の上で光がどんな役割を果たしているか、考えたことがありますか?

演劇やミュージカル、ダンス、ライブ…どんな舞台でも「照明」は欠かせない存在です。ですが、照明はただ“明るくする”ためだけにあるのではありません。

実は舞台照明は、物語の空気をつくり、登場人物の感情を表現し、観客の目を舞台上の「見るべき場所」へと導いてくれる、舞台全体の「語り手」でもあるのです。

◯ 照明の5つの役割

舞台照明には、次のような目的があります。

  1. 視認性(Selective Visibility)
     →「見えること」。観客に、役者の顔や動きがきちんと見えるように照らす。
  2. 形の表現(Revelation of Form)
     →光と影で、人物や物の“立体感”を出す。平面的でなく、リアルに感じられるように。
  3. 構図(Composition)
     →舞台全体のバランスをとり、美しい画面をつくる。
  4. ムードの演出(Mood)
     →光の色や強さ、動きで“感情”を伝える。喜び・悲しみ・怒りなどを照明で表現する。
  5. 情報の伝達(Information)
     →時間・場所・天候など、セリフでは語られない情報を照明で伝える。

たとえば、夕暮れの公園、曇り空の海辺、深夜の部屋…セリフがなくても、「今どこで、いつなのか」が伝わるのは照明も説明しているからです。

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この記事を書いた人

こんにちは、Tommyです。日本コーバン株式会社の舞台照明事業部で働いています。舞台照明、特にミュージカルやお芝居が大好きで、大学時代にはブロードウェイミュージカルへの情熱からアメリカに留学しました。大学ではもちろんシアターを専攻し、そこで照明デザインやプログラミングを学びました。

休日にはブロードウェイミュージカルを観に行くのが趣味で、頭の中はいつもお芝居と舞台照明のことでいっぱいです。今、特に力を入れているのは、ETC Eosという照明卓の素晴らしさを広めること。このブログを通じて、照明やプログラミングがもっと身近になるように、そして皆さんの作品作りに少しでも役立てるよう、頑張りたいと思っています。

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