Eos 照明卓のTimeコントロール機能 Tips

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〜デザインと制御を結ぶ「時間」の理解と活用〜

🟦 基本:キューにおけるタイム指定の考え方

Eosでは、1つのキューに対して以下のような「時間情報」を設定することができます:

  • Fade Time(フェード時間):値の変化にかかる時間(例:インテンシティが0→100%へ上がる時間)
  • Delay Time(ディレイ時間):GOしてから変化が始まるまでの待ち時間
  • Up Time / Down Time(上がる時間/下がる時間)
  • Focus / Color / Beam などカテゴリー別タイミング:非インテンシティパラメーターのための時間指定
  • Discrete Timing(ディスクリートタイミング):チャンネル単位での個別タイミング設定
[Record] [Cue] [5] [Time] [3] [Time] [9] [Enter]
→ インテンシティ上昇・非インテンシティを3秒、下降を9秒に設定

🎨 演出の観点からのタイム設定

  • 緩やかな明転(フェードイン):観客に気づかれず空間が変わる
  • キッカケの合わせ:役者の動きや音楽に合わせた秒単位のコントロール
  • カットチェンジ:即時の変化。時間は「0」または非常に短く設定
  • ディレイを活かす:スポットのズレや階層的変化を演出する際に有効
[Cue] [10] [Time] [0] → カットチェンジ
[Cue] [11] {Color} [Delay] [2] [Enter] → 色だけ2秒後に変化開始


🔄「カットチェンジ」や「カットイン→フェード」の作り方

演出意図設定方法解説
カットチェンジFade Time = 0即時に値を切り替える
カットイン→フェードDelay Time = 0, Fade Time > 0GOですぐに変化が始まり、時間をかけて移行
カット→Delay→フェードDelay Time > 0, Fade Time > 0GO後に待機してから変化開始

💡 補足Tips:個別チャンネルだけ変化時間を変えたい

ディスクリートタイムを使いましょう:

例)[1] {Focus} [Time] [5] [Enter]
→ チャンネル1のフォーカスにだけ5秒の変化時間

🔧 カテゴリー別デフォルトタイミングの設定

Setup > Cue Settings にて、以下のカテゴリー別のデフォルト時間を設定可能:

  • Intensity Up
  • Intensity Down
  • Color / Focus / Beam

目次

🔚 まとめ

「時間」のコントロールは、舞台照明の「印象」を決める重要な設計要素。
Eosでは、Cue単位・カテゴリー単位・チャンネル単位のきめ細やかな時間設定が可能です。

演出意図を明確にし、それに応じてFade / Delay / Manual / Rateなどを適切に使い分けることで、
「演出を支えるプログラム」が構築できます。

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この記事を書いた人

こんにちは、Tommyです。日本コーバン株式会社の舞台照明事業部で働いています。舞台照明、特にミュージカルやお芝居が大好きで、大学時代にはブロードウェイミュージカルへの情熱からアメリカに留学しました。大学ではもちろんシアターを専攻し、そこで照明デザインやプログラミングを学びました。

休日にはブロードウェイミュージカルを観に行くのが趣味で、頭の中はいつもお芝居と舞台照明のことでいっぱいです。今、特に力を入れているのは、ETC Eosという照明卓の素晴らしさを広めること。このブログを通じて、照明やプログラミングがもっと身近になるように、そして皆さんの作品作りに少しでも役立てるよう、頑張りたいと思っています。

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