こんにちは、日本コーバン舞台照明事業部のトミーです。
「他の現場のキューだけ取り込みたい」
「前に作ったマジックシートだけ使いたい」
「複数人で別々に作ったエフェクトを合体させたい」
そんなときに便利なのが、Eosの「Merge(マージ)」機能です!
今回は、**ショーファイルを一部だけ取り込む方法(部分マージ)**を、初心者にもわかりやすく紹介します。
◆ MergeとOpenの違いとは?
用語 | 説明 |
---|---|
Open | ファイルをまるごと開く。元の内容は消える。 |
Partial Open | 一部だけ開けるが、他の未選択の項目は削除される。 |
Merge | 一部だけ取り込んでも、他のデータは残る(これが一番安全!) |
🔸つまり、**現在のショーデータに“足す”操作が「Merge」**です。
◆ Mergeの基本手順
- コンソール画面左下の[Browser] →【File】→【Merge】を選択
- USBや内部保存先から取り込みたいショーファイルを選択
- {Advanced} ボタンを押す
- 取り込みたい要素(Cue・Palette・Magic Sheetなど)を選択
- 必要に応じて番号や範囲を指定(例:Cue 5-10 を Cue 100〜に)
- {OK}を押してマージ完了!
◆ マージ可能なデータ例
項目 | 内容 |
---|---|
Cues | キュー(時間も含む) |
Palettes | カラーやフォーカスなどの基準値 |
Presets | IFCBの複合記録 |
Groups | チャンネルグループ |
Effects | 各種エフェクト |
Magic Sheets | マジックシート画像や配置 |
Patch/Fixtures | パッチや灯体情報 |
Media | 画像やゴボも自動で取り込まれる |
📌 Magic SheetやFixtureなどには自動的にMedia(画像)も含まれます。
◆ 実践:Cueを別の番号で取り込むには?
たとえば、他ファイルのCue 5〜10をCue 100〜105として使いたい場合:
項目 | 入力例 |
---|---|
List | 1(Cue List 1) |
List Target | 1 |
Start | 5 |
End | 10 |
Target | 100 |
➡ 5→100、6→101 … 10→105 としてマージされます。
※【[Thru]】キーでEnd列へ、【[At]】キーでTarget列へジャンプできます。
◆ Channelを上書きせずマージする方法(Merge Channels)
複数のショーファイルで**同じグループ番号(例:Group 1)**を使っていても、「Merge Channels」にチェックを入れると上書きではなく、**マージ(統合)**されます!
例:
- ファイルAのGroup 1 → Ch1〜5
- ファイルBのGroup 1 → Ch6〜10
➡ Merge Channels ON:Group 1 → Ch1〜10
➡ Merge Channels OFF:Group 1 → Ch6〜10(上書き)
◆ よくある注意点・トラブル防止ポイント
注意点 | 内容 |
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⚠ 同じ番号に違うデータがある場合 | 上書きされる可能性がある(番号指定をずらすと安心) |
⚠ Partial Openとの違い | Partial Openでは未選択データが削除されるので注意 |
⚠ Fixture情報を取り込むとき | 画像(Media)も含まれる。容量に注意 |
⚠ Augment3d位置情報だけ欲しいとき | 「Only Merge Augment3d XYZ Location」にチェック |
✅ まとめ:Merge機能は「ショーの統合と再利用」に超便利!
操作例 | 活用シーン |
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Cue 10〜20 を他ファイルへ追加 | 別シーンを再利用したいとき |
他人が作ったPaletteだけ使う | デザイナー同士で素材を共有 |
Fixture設定をそのまま引き継ぐ | 同じ機材構成の現場で時短を図りたいとき |
Magic Sheetだけ持ってくる | ビジュアルを別現場でも使いまわしたいとき |
📩 Eosのマージ機能を活用した運用フローや、プロジェクト別のファイル管理術など、現場で役立つ応用テクニックもご提案可能です!