ETC Eos卓におけるキューのタイム設定方法

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Eosコンソールでは、キューの実行時に照明の変化にかかる時間(タイム)を細かく設定できます。適切なタイム設定を行うことで、照明の変化をスムーズにコントロールし、演出の意図を的確に反映できます。


1. キュータイムとは?

キュータイムとは、あるキューから次のキューへ移行する際に、照明の状態がどれくらいの時間をかけて変化するかを指定するものです。一般的に「タイム(Time)」や「フェード(Fade)」と呼ばれます。

Eosでは、以下のようにパラメーターごとに異なるタイムを設定できます。

  • Intensity Up(インテンシティアップ):明るくなるまでの時間
  • Intensity Down(インテンシティダウン):暗くなるまでの時間
  • Focus(フォーカス):ムービングライトのパン・チルトが移動する時間
  • Color(カラー):カラーチェンジにかかる時間
  • Beam(ビーム):ゴボやエッジの変化にかかる時間​。

2. キューのタイムを設定する方法

キューのタイムを設定するには、以下のような方法があります。

① キューを作成するときにタイムを設定する
[Cue] [番号] [Time] [秒数] [Enter]
※キューを実行中であればキュー番号を入力する必要はありません。[Time]を押すと実行中のキュー番号が入力されます。

例:

→ キュー5のタイムを4秒に設定。Cue 5 Time 4 Enter

② 既存のキューのタイムを変更する
[Cue] [番号] [Time] [新しい秒数] [Enter]

例:Cue 10 Time 6 Enter

→ キュー10のタイムを6秒に変更。

③ すべてのキューのデフォルトタイムを設定する

デフォルトのキュータイムを設定することで、新しく作成するキューに自動的に同じタイムを適用できます。

  1. [Setup] を開く
  2. 「システム」 → 「キュー設定」 に進む
  3. 「キューデフォルトタイム」 に希望する秒数を入力​。

3. ディレイ(Delay)の活用

ディレイ(Delay) とは、GOボタンを押してからタイムが開始されるまでの遅延時間を設定する機能です。

  • Int Up Delay:明るくなる前の待機時間
  • Int Down Delay:暗くなる前の待機時間
  • Focus Delay:ムービングライトが動く前の待機時間
  • Color Delay:カラーチェンジの待機時間
  • Beam Delay:ゴボやエッジの変更前の待機時間​。

設定例:

Cue 5 Time 3 Delay 2 Enter

→ キュー5は3秒かけてフェードし、開始するまで2秒待機。


4. マルチパートキュー(Multi-Part Cue)

Eosでは、1つのキューを最大20のパートに分割し、それぞれに異なるタイムを設定できます。例えば、スポットライトだけ2秒、カラーチェンジは5秒といった調整が可能です。

設定方法:

Cue 10 Part 1 Time 2 Enter
Cue 10 Part 2 Time 5 Enter

→ キュー10のPart 1を2秒、Part 2を5秒に設定​。


まとめ

  • キュータイムは、照明の変化をどのくらいの時間で行うかを決める設定。
  • Intensity、Focus、Color、Beam などの各パラメーターごとに異なるタイムを設定可能。
  • Delayを使えば、キューが開始される前の待機時間を設定できる。
  • マルチパートキューを使えば、異なるタイミングで照明の変化を細かく制御できる。

適切なタイム設定を活用して、より滑らかで美しい照明演出を実現しましょう!

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この記事を書いた人

こんにちは、Tommyです。日本コーバン株式会社の舞台照明事業部で働いています。舞台照明、特にミュージカルやお芝居が大好きで、大学時代にはブロードウェイミュージカルへの情熱からアメリカに留学しました。大学ではもちろんシアターを専攻し、そこで照明デザインやプログラミングを学びました。

休日にはブロードウェイミュージカルを観に行くのが趣味で、頭の中はいつもお芝居と舞台照明のことでいっぱいです。今、特に力を入れているのは、ETC Eosという照明卓の素晴らしさを広めること。このブログを通じて、照明やプログラミングがもっと身近になるように、そして皆さんの作品作りに少しでも役立てるよう、頑張りたいと思っています。

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